とんがりギャルゲー紀行 第96回:らいむいろ戦奇譚 明治日本、乙女 防人ス。

皆さん、前回の『怪奇!ドリル男の恐怖』の紹介記事は読んでいただけましたか?
あれは実際に田中ロミオ先生本人が書かれた記事なので、ぜひ一度は目を通してみてくださいね。記事が貴重なのは勿論ですが、ご紹介いただいたゲームも大変とんがっていますよ。

それでは今回のゲーム紹介に移りますね。2019年12月12日に『新サクラ大戦』が発売らしいので、明治版サクラ大戦と一部で呼ばれるこのゲームを選んでみました。

らいむいろ戦奇譚 明治日本、乙女 防人ス。

エルフが2002年にリリースした美少女ゲームです。 あかほりさとるのエロゲーシナリオデビュー作として注目を集めた作品ですね。 アニメ化もしたタイトルなので知名度はあるかなーと思いましたが、結構前のゲームですし紹介しちゃうことにしました。なんだか最近は特にエロゲーにばかり比重を置いてしまっていますね。近いうちに全年齢向け作品も書きます。

このゲームの発売時は筆者はまだ18歳未満だったので、深夜アニメを観てこの作品を知りました。同級生にもそのアニメを見ている友達がいて、そいつが自分用のパソコンを持っているとかで「元がゲームらしいからサイトを見て調べてみる!」とか言ってくれていたのですが、その翌日「【18歳以上ですか?】って聞かれて【いいえ】をクリックしたら見られなかった……」としょんぼりしていました。なんで(サイトに)入れないんだろう。不思議だねって2人で首をかしげたのを覚えています。エロゲーの公式サイトだからだよ!!
思い返してみるとまるで無知っ子シチュのようですね。とか思う筆者はずいぶんとあの頃より汚れたもんです。見る影もない。

この作品は日露戦争真っただ中を舞台にした架空の戦いを描くストーリーの美少女ゲームです。世界屈指の大要塞である旅順要塞を守護する人智を超えた闇の力に対抗すべく、極秘特殊部隊・らいむ隊が浮遊戦艦天乃原に乗って戦地へ赴くというもの。ちなみにらいむ隊とは、魂に秘められた力を具現化した分身である礼武(らいむ)を操る力を持った少女たちで構成された部隊です。主人公は教師として「天乃原女学院」へ赴任したはずが、らいむ隊の少女たちの先生となって共に旅順へ向かうことになります。

天乃原女学院赴任のためにやってきた主人公(第一話より)

ゲームは1話完結型の全13話構成で、各話は大体アドベンチャーパートとシミュレーション風の戦闘パートに分かれています。ヒロインであるらいむ隊の好感度はアドベンチャーでの選択肢と授業の組み立てによって変化する仕様。らいむ隊に授業を受けさせているのは、学校へ通う体験をさせてあげるためとかそんな理由だったはずです。なにせ彼女らは本来ならまだ親の庇護を受ける年頃……あれ、18歳以上だったっけ?

時間割の設定画面。カーソルを合わせると生徒たちの授業の好みがわかる

『らいむいろ戦奇譚』はオープニングと次回予告のムービーまで用意した1話完結型のテレビアニメ仕立ての構成、アドベンチャーパートと戦闘パートに分かれている点など、『サクラ大戦』との共通点が多い作品です。というか間違いなく狙っているのでしょう。脚本も同じあかほりさとるですし。真偽は確認できていませんが、『サクラ大戦』でできなかったことをやるために本作を手掛けたとか聞きました。

例えば『サクラ大戦』では、主人公・大神一郎が帝国歌劇団・花組のモギリに配属されたと思いきや、後に実際は秘密部隊・帝国華撃団の隊長として選ばれたのだと知るのが第1話のあらすじですが、『らいむいろ戦奇譚』でも主人公・馬飼はらいむ隊のことを知らずに教師として赴任し、後に指揮官の立場へ就くことになります。うん、やはり色々と似ていますね。

戦闘パートは敵の属性との相性を見て味方を配置し、戦艦を守り抜くシミュレーションゲームのような感じ。難易度は複数段階あり、スキップもできる。
話の終了時に好感度の順位が表示される点も『サクラ大戦』と同じ(『サクラ大戦』の場合は信頼度)

とはいえ、ストーリーをそのままなぞっているわけではありませんし、舞台も時代も異なります。ヒロインも独自の個性を持っていますから、似てはいても別に『サクラ大戦』のパクリゲーというわけではありません。実際、アニメもゲームも人気が出て続編も作られたわけですし、本作なりの魅力を持っているのは間違いないと思います。『サクラ大戦』との大きな差であるヒロインたちの歌唱力についてはちょっと擁護できませんが、ゲームとアニメ版共通の主題歌『凛花』はとっても格好いい曲で、歌詞も熱いし今でもたびたび聴くほど好きな曲です。そういえば、メインヒロインの真田木綿役を務めた声優兼プロレスラーの清水愛は、『凛花』を自身の入場曲にするほど気に入っているとしつつ、インタビューで「歌い直したい」と発言していました。本人にもズレている自覚があったのか、という点よりも女子プロレスラーデビューしていたことを今更ながらに知ってそっちの方に驚きました。

さて、それではこの辺で。また次回もよろしくお願いします。

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